エコ通信

2015.04.27 13:15

ECO通信 Vol.118 人工的光合成に可能性が!

昨日、毎年恒例の理化学研究所のスプリング8の施設公開に行ってきました。

今年も大勢の人が見学会に訪れていました。

その中で、スプリング8を使った研究で、植物の光合成の構造を見ることが出来るようになったとか、サクラでは、植物の光合成の仕組みが見ることが出来るようんいなったとありました。

その結果、人工的に光合成が出来るようになる可能性があるらしいです。

素晴らしい発見!もの凄いECOですよね!!

以下に、理研発表の記事を記します。

植物が行う光合成は、葉の中にあるクロロフィルという色素が光エネルギーを吸収することで、クロロフィルから電子が一つ抜け、別の分子へ移動することから始まります。

これは光合成反応初期過程の最も重要なプロセスの一つですが、約1ピコ秒(1ピコ秒=1兆分の1秒)という極めて短い時間内に進行するため、クロロフィルが光を吸収してから、電子一つが移動するプロセスは大きな謎に包まれていました。

研究グループは、クロロフィルにおける電子移動のモデル化合物として、ルテニウムとコバルトを含む分子を用いました。

この分子に0.1ピコ秒という短い時間幅の可視光を照射すると、ルテニウムから1個の電子が抜け、抜けた電子が分子内を移動してコバルト側に移る様子を観測しました。

このような金属原子の間の電子の移動過程は、X線発光分光*1という測定法で、また電子の移動に伴う分子構造の変化は、X線溶液散乱*2という測定法で精密に調べることができます。

本実験では、可視光を照射した後に時間を追ってX線発光分光とX線溶液散乱を同時に測定したところ、光照射から約0.5ピコ秒後にコバルト側に電子が移動して、コバルトの状態が三価から二価へと変化し、さらに約2ピコ秒後にコバルト原子周辺の分子構造が変化することが明らかとなりました。

この結果は、植物の光合成を理解することに役立つだけでなく、光合成反応を模倣して、人工的に光エネルギーを化学エネルギーに変換する人工光合成の開発に役立つことが期待されます。

研究グループは、この手法を用いて太陽光を利用した人工光合成のための光触媒の開発研究も精力的に進めています。

光を吸収してルテニウムからコバルトへ電子が移動するプロセスと時間

Spring8 大型放射線施設へのリンクは下記です。

http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2015/150303/

    まゆまゆ
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